
広報と営業の仕事の違い
前回は活動内容を混同しやすい広報と広告について解説しました。
今回は広報と近しい位置にある営業との関係について解説していきます。
企業の中で営業や広報など、社外との関わりを担当する部署は多く存在します。
ではそれぞれの違いはどこにあるのでしょうか?
この記事では、営業と広報のそれぞれの役割や仕事内容に焦点を当て、それぞれの違いについて説明していきます。
前回の記事はこちらから
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広告と広報の違いとは?それぞれの特徴や使い分けを解説【PRのヒント】
企業がビジネスを成功をさせるためには、広告と広報を効果的に活用することが重要です。 この広告と広報という2つの要素はよく混同されますが、実際にはその役割や効果に大きな違いがあります。 この記事では、広 ...
広報の仕事内容

まずは広報の仕事内容についてご紹介します。
広報の仕事は、大きく 社外広報 と 社内広報 に分けられます。社外広報では企業のブランド価値を高め、社会との接点を広げる役割を担い、社内広報では社員のエンゲージメントを高め、組織の一体感を醸成することが求められます。ここでは、広報の業務を4つの柱に分けて紹介します。
1. メディア・PR戦略
企業の認知度を高め、ブランドイメージを向上させるための広報活動です。
新聞やテレビ、ウェブメディアなどの報道機関に対してプレスリリースを発信し、自社のニュースを取り上げてもらうことで、信頼性の高い情報発信を行います。
また、メディアからの取材対応や記者会見の運営を通じて、企業の姿勢や考えを正しく伝える役割も担います。近年では、SNSやオウンドメディアを活用し、ターゲットに向けて直接情報を届ける手法も重要になっています。
2. 危機管理広報
企業の信頼を守るために、不測の事態に備えるのも広報の重要な役割です。
不祥事やクレームが発生した際には、迅速かつ適切な情報発信を行い、企業の姿勢を明確に伝える必要があります。特に、公式声明や謝罪文の発信は慎重に行わなければならず、誤った対応をすると逆に企業のイメージを損なうことになりかねません。
また、SNSや口コミサイトの動向を日々チェックし、問題が大きくなる前に対処することも求められます。こうしたリスク管理のために、あらかじめ対応マニュアルを整備し、社内で共有しておくことが重要です。
3. 社内コミュニケーション
企業の成長には、社内の情報共有やコミュニケーションの活性化が欠かせません。広報は、社内報やイントラネットを通じて会社の方針や取り組みを発信し、社員の意識統一を図ります。また、経営層の考えやビジョンを伝えるために、トップメッセージの発信をサポートすることもあります。
さらに、社員同士のつながりを強めるために、表彰制度や社内イベントの企画・運営を行い、モチベーション向上を促します。社員の声を吸い上げるアンケートを実施し、働きやすい環境づくりに反映させることも、広報の役割のひとつです。
4. 採用・エンゲージメント
優秀な人材を確保し、企業の成長を支えるためには、採用活動における広報の力が不可欠です。採用サイトや動画コンテンツを通じて企業の魅力を発信し、求職者に興味を持ってもらう仕組みをつくります。また、リクルートイベントや会社説明会を企画し、直接コミュニケーションを取ることで、企業の理念やカルチャーを伝えることも重要です。入社後の定着率を高めるために、社員のキャリア形成や働きがいに関する情報を発信し、エンゲージメントの向上を図る施策も広報の大切な仕事のひとつです。
広報は、企業の「外」と「内」をつなぐ役割を持ち、企業の成長に欠かせない仕事です。社外に向けたブランディングだけでなく、社内の組織力を高めることも、広報の力によって大きく変わります。
営業の仕事内容

次は営業の仕事内容を紹介します。
営業の仕事は、「売ること」だけにとどまりません。顧客との関係づくりを通じて、課題を見つけ、解決策を提案し、継続的な信頼関係を築いていく...企業の成長を支える重要な役割を担っています。ここでは、営業の仕事を4つの柱に分けて紹介します。
1. リード獲得と関係づくり
営業活動の第一歩は、「お客様と出会うこと」です。テレアポやメール、展示会、紹介、Webでの問い合わせ対応など、さまざまな方法で見込み顧客と接点を持ちます。新規開拓だけでなく、過去の取引先や既存顧客からの横展開なども視野に入れながら、関係を築いていきます。
ここでの目的は、「売ること」ではなく、「まず話を聞いてもらえる状態をつくること」。興味関心を引き出す工夫が求められます。
2. 顧客の課題ヒアリングと提案
実際に商談が始まると、まずは顧客の現状や抱えている課題、業界の動向、社内の意思決定の流れなどを丁寧にヒアリングします。その上で、自社の商品やサービスの中から、相手に合った解決策を提案します。単に機能やスペックを並べるのではなく、「なぜその顧客にとって必要なのか」「導入後にどんな変化があるのか」といった部分まで言語化することが求められます。
競合他社との違いも意識しつつ、自社を選ぶ理由を明確に伝える工夫が必要です。
3. 契約交渉と導入サポート
提案後、実際に契約へと進めるためには、価格や条件、スケジュール面などの細かい調整が必要になります。ときには社内調整や相手企業の承認プロセスに伴走しながら、段階的に不安や疑問を解消していきます。無理に押し切るのではなく、「納得して前向きに導入したい」と思ってもらえるような関わりが重要です。
契約が決まったあとは、納品やサービス開始に向けた社内外の連携、初期設定や活用のサポートなど、スムーズな導入を支える役割も担います。
4. アフターフォローと追加提案
営業の仕事は「売って終わり」ではありません。商品やサービスがしっかり活用されているか、困りごとはないかなど、導入後のフォローを行います。その中で新たなニーズや課題が見えてきた場合には、追加提案やサービスの拡張提案(アップセル・クロスセル)を行うこともあります。また、顧客との信頼関係を深めることで、紹介や口コミなど、新しい営業機会にもつながっていきます。既存顧客を大切にする姿勢が、結果として営業全体の成果を支える土台になります。
営業は「売る」だけではなく、顧客の課題解決や長期的な関係構築を通じて、企業の成長を支える重要な役割を担っています。
広報と営業の違い
広報と営業は、どちらも企業の成長に欠かせない役割を担っていますが、その目的やアプローチは異なります。
広報は企業の活動や理念を社内外に伝えることで、信頼関係を築き、ブランド価値を高めることを目的としています。
一方で営業は顧客のニーズを把握し、最適な商品やサービスを提案することで売上の拡大を目指します。
広報が築いた信頼や認知度が営業活動を円滑に進める土台となり、営業が獲得した顧客の声が広報活動の質を高めるフィードバックとなります。
このように広報と営業は相互に補完し合いながら、企業の成長を支えているのです。
広報と営業の違い の まとめ
- 広報は、企業の信頼構築やブランド価値の向上を担う
- 営業は、顧客の課題解決を通じて、売上の拡大を目指す
- 広報と営業は、相互に連携し、企業の成長を支える重要な役割を果たす
今回は広報と営業の違いについてご説明しました。
広報と営業は、それぞれ異なるアプローチで企業の目標達成に貢献していますが、両者の連携があってこそ、より効果的な成果が期待できます。
もし、広報活動にリソースが不足している場合は、専門の代行サービスを活用するのも一つの手です。例えば、「広報PLUS」では、経験豊富な広報担当者が、プレスリリースの作成やメディア対応などをサポートし、企業の魅力を効果的に発信するお手伝いをしています。
限られたリソースを有効活用し、広報活動を強化することで、営業活動との相乗効果を生み出し、企業の成長を加速させましょう。

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