はじめに:「まず、いくらかかるのか」を知りたい担当者へ

脱炭素研修の実施を検討し始めたとき、多くの研修担当者が最初にぶつかる壁が「費用の見当がつかない」ことです。

社内で予算を確保するにも、複数社を比較するにも、まず費用の目安がわからなければ動き出せません。ところが脱炭素・カーボンニュートラルをテーマにした研修は、各社とも料金を公開しておらず「お問い合わせください」という表示がほとんどです。

この記事では、脱炭素研修そのものの相場に加え、参考になる企業研修全体の費用目安、金額を左右する要素、そして見積もりを取る前に押さえておくべき考え方を整理します。

なぜ脱炭素研修は「料金が公開されていない」のか

結論から言えば、脱炭素研修は個別見積もりが業界標準だからです。

これは不親切なのではなく、この分野の研修が持つ性質によるものです。脱炭素研修は、受講者の階層(経営層・管理職・一般社員)、自社の業種、扱うテーマの深さ(基礎知識の共有なのか、Scope3算定まで踏み込むのか)によって、設計が大きく変わります。同じ「脱炭素研修」でも、2時間の入門講座と2日間の実践プログラムでは、講師の準備量も内容もまったく別物です。

そのため、あらかじめ固定価格を提示するより、企業ごとの目的に合わせて見積もる方式が一般的になっています。

参考になる「企業研修全体」の費用相場

脱炭素研修単体の相場は公開情報が少ないため、まずは企業研修全体の費用目安を押さえておくと、予算感をつかみやすくなります。

外部講師を招いて自社で行う講師派遣型の研修では、1日あたり15万〜30万円前後が一般的な目安とされています。専門性の高いテーマになると、20万〜50万円程度まで幅が広がります。脱炭素・カーボンニュートラルは専門性が求められるテーマのため、本来であればこの「専門性の高い研修」の価格帯に入ってもおかしくない分野です。

一方、他社の社員と合同で参加する公開講座の形式であれば、1人あたり1万〜5万円程度が目安です。ただしこの形式は自社向けのカスタマイズができないため、「自社の脱炭素課題に沿った研修をしたい」という目的には向きません。

実際には、脱炭素研修も講師派遣型で実施する場合、短時間の入門プログラムであれば10万円を下回るケースもあり、複数日にわたる本格的なプログラムでも、専門性の相場(20万〜50万円)の下限〜中位に収まる提供事業者は少なくありません。「専門テーマだから高額になるはず」と身構える必要は必ずしもなく、目的と規模次第では想定より現実的な予算で実施できる場合があります。

(出典:グロービス「社員研修の費用相場」/PRONIアイミツ「社員研修の平均費用と料金相場」)

費用を左右する4つの要素

脱炭素研修が行われる会議室の様子

見積もりの金額は、主に次の4つの要素で変動します。自社がどこにあたるかを事前に整理しておくと、問い合わせ時の話が早くなります。

  • 時間・日数:2時間程度の単発講座か、半日・1日、あるいは複数日にわたるプログラムか。当然ながら拘束時間が長いほど費用は上がります。
  • 参加人数・グループ数:ワークショップや体験型の手法を含む場合、人数に応じて講師・ファシリテーターの体制が変わるため、費用に影響します。
  • カスタマイズの深さ:汎用的な内容をそのまま実施するのか、自社の業種・課題に合わせて教材やワークを作り込むのか。事前ヒアリングを含めた設計の深さが金額を左右します。
  • オプションの有無:受講者アンケートによる効果測定、研修後のフォローアップ、eラーニング教材の提供などを加えると、その分費用が加算されます。

見積もりで必ず確認すべき「金額以外」の項目

提示された金額だけで判断すると、後で想定外の出費が生じることがあります。見積もりを受け取ったら、次の点を必ず確認してください。

  • 消費税・交通費の扱い:講師料が税抜表示か税込表示か、また講師の交通費・宿泊費が別途必要かどうかは、会社によって異なります。特に遠方から講師を招く場合、交通費が総額に影響することがあります。
  • 会場費・機材費:自社の会議室を使うのか、外部会場を手配するのか。プロジェクターや音響設備の準備が自社側か講師側かも確認しておきましょう。
  • 教材・資料の費用:研修当日の資料が費用に含まれているか、受講者数に応じた印刷費が別途かかるかを確認します。

(出典:PRONIアイミツ「社員研修の平均費用と料金相場」)

▶ 実施時期・想定人数・目的をお伝えいただければ、概算をご案内します。研修プログラムの詳細・お問い合わせはこちら

「安さ」だけで選ぶと失敗する理由

費用の目安を知ると、つい最も安い選択肢に目が向きがちです。しかし脱炭素研修においては、金額の安さだけで選ぶと、かえって投資が無駄になるリスクがあります。

産労総合研究所の調査では、今後1〜3年で教育研修費用を「増加させる見込み」とする企業が59.5%に上り、その理由として人的資本への投資が挙げられています。つまり研修は「コスト」ではなく「投資」であり、問われるのは金額の低さではなく費用対効果です。

安価な汎用研修を実施しても、受講者が「自分事」として受け止められず、研修後に何も残らなければ、その支出はほぼ無駄になります。実際に研修が失敗するパターンを知っておくと、価格以外に何を見るべきかが見えてきます。

逆に、多少費用がかかっても、自社の課題に沿って設計され、受講後の行動変容につながる研修であれば、投資に見合う成果が得られます。費用を検討する際は、「いくらか」だけでなく「その金額で何が得られるか」をセットで見ることが重要です。

(出典:産労総合研究所「2024年度教育研修費用の実態調査」)

まとめ:予算を組む前に押さえるべきこと

脱炭素研修の費用は、時間・人数・カスタマイズ・オプションによって変動するため、一律の相場を出すことは難しいテーマです。企業研修全体の目安としては講師派遣型で1日15万〜30万円前後が一つの基準となり、脱炭素研修もおおむねこの範囲、目的次第ではより現実的な予算で実施できる場合があります。

大切なのは、金額の安さではなく費用対効果で判断すること。そして講師を選ぶ際は、費用だけでなく設計力や実績もあわせて確認することをおすすめします。

正確な費用を知る最も確実な方法は、実施時期・想定人数・目的を伝えて見積もりを取ることです。多くの場合、初回の問い合わせ時点で概算を確認できます。

株式会社ジョブオールでも、ご予算やご要望をうかがったうえで、最適なプログラムの概算をご案内しています。まずはお気軽にご相談ください。

→ 研修プログラムの詳細・お問い合わせはこちら

よくある質問

  1. Q. 脱炭素研修の費用は最低いくらから依頼できますか?

    A. 内容によりますが、短時間の入門的なプログラムであれば数万円台から、自社向けにカスタマイズした複数日のプログラムでは数十万円規模になるのが一般的です。正確な金額は、目的と規模をお伝えいただければ概算でご案内できます。

  2. Q. 見積もりに消費税や交通費は含まれていますか?

    A. 会社によって異なります。講師料が税抜・税込どちらの表示か、また講師の交通費・宿泊費が別途必要かは、見積もり時に必ず確認することをおすすめします。

  3. Q. カードゲームを使った研修は費用が高くなりますか?

    A. 手法そのものによって極端に高くなるわけではありません。ただし、研修会社によっては参加人数に応じた「1人当たりいくら」という料金体系を採用している場合があり、人数が増えるほど総額が膨らみ、結果として割高になることがあります。株式会社ジョブオールでは、ご相談時にうかがったおおよその参加人数をもとにパッケージ価格でお見積もりするため、大人数でも費用が読みやすいのが特徴です。費用は主に時間・人数・カスタマイズの深さで決まり、体験型の研修は知識の定着率が高いため、費用対効果の観点でむしろ有利になるケースもあります。

  4. Q. 補助金や助成金は使えますか?

    A. 厚生労働省の人材開発支援助成金など、研修費用の一部が助成される制度が存在します。株式会社ジョブオールでも、こうした助成金を活用して研修を実施いただいたケースが過去にあります。ただし要件や申請手続きがあり、制度内容も変更される場合があるため、活用を検討される際は事前に労働局や社会保険労務士など専門家にご確認ください(要外部確認)。

参考一次情報

・グロービス「社員研修の費用相場はいくら?予算内で最大限の効果を生むコツを解説」
・PRONIアイミツ「社員研修の平均費用と料金相場」
・産労総合研究所「2024年度 教育研修費用の実態調査」