
広報と営業の仕事の違い
営業チームが毎日ヘトヘトなのに、思うように売上が伸びない。
「もっと気合い入れて売れ!」とハッパをかけても、状況は変わらない──
それ、実は“広報の不在”が原因かもしれません。
営業と広報は表裏一体の存在。どちらが欠けても企業は正しく外に伝わりません。
今回は似ているようでまったく役割の違う「営業」と「広報」の本質
そして両者を連携させることで何が起きるのかを解説します。
前回の記事はこちらから
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「信頼」を育てる仕事 広報とは?

広報の仕事は一言でいうと「企業の信頼をつくること」。
社外に向けたメッセージの発信やメディア対応、社内コミュニケーションまで多岐にわたります。
業務を通じてブランドの価値を高め、共感や理解を育てていきます。
広報の主な業務
- プレスリリース配信・メディア対応
広報の基本は企業の情報を“信頼ある第三者”に伝えてもらうこと。
新商品やサービス、企業の取り組みなどをメディア向けに発信し、記事やニュースとして取り上げてもらう仕掛けをつくります。
単にプレスリリースを送るだけでなく、記者が「これ面白い」と思えるような切り口を設計し、必要に応じて取材の調整や記者会見の段取りなども担当します。
近年ではSNSやオウンドメディアなど自社発信のチャネルも強化されており、ストーリー性のある発信が求められています。 - 危機管理・リスク対応
炎上・不祥事・トラブルなど、企業活動には常に“もしも”がつきもの。そうした不測の事態に対し、広報は「どう発信すべきか」「誰に・いつ・何を伝えるべきか」を判断・設計します。
特にSNS時代では情報が一瞬で拡散するため、初動の1報・トーンの設計・誤解の解消など、対応の質が企業イメージに直結します。普段からのリスクシナリオの準備や社内での意識づけも広報の仕事の一部です。 - 社内広報・コミュニケーション支援
広報の役割は外部だけではありません。会社の方向性や方針を社内にわかりやすく伝え、社員の理解と共感を生むことも大切な業務です。社内報や動画コンテンツなどを通じて社員同士のつながりを深めたり、経営層のメッセージを届けたりと、組織の一体感づくりを支えます。
また、社員の声を吸い上げるアンケートやイベントの運営なども広報が関わるケースがあります。 - 採用ブランディング・エンゲージメント向上
企業にとって“人材”は最大の資産。広報は採用活動においても重要な役割を果たします。
求職者にとって「どんな会社なのか」「どんな価値観で働いているのか」が伝わるコンテンツづくり、SNSでの発信、リクルートイベントの設計などを担い、魅力づけを行います。
さらに入社後の活躍や定着を後押しするため、キャリア支援施策や社員インタビュー、福利厚生の紹介など、社内の“働きがい”を発信する役割も含まれます。
広報は“すぐに売上にはつながりにくい”と感じる方も多いかと思われますが、良質な広報活動は中長期的に企業の信用や採用力、営業のしやすさを支えるのに必要なものなのです。
「売上をつくる」最前線 営業とは?

一方、営業は「売ること」が使命です。
顧客と直接向き合いニーズを掘り起こし、提案し、契約につなげる。企業の売上を直接的に担う、まさに“最前線”のポジションです。
営業の主な業務
- 新規開拓と関係づくり
営業活動の出発点は、「まだ出会っていないお客様との接点をつくること」。テレアポ・展示会・SNS・オウンドメディア経由の問い合わせ対応など、手法は多様化していますが目的は共通して「興味を持ってもらう」ことです。
大切なのは“売る前に信頼を得る”という意識。
名刺交換や初回訪問の場でも、いきなり商品の説明を始めるのではなく、相手の業界や現場の状況をリサーチし、「この人、ちゃんとわかってるな」と思ってもらえるコミュニケーションが重要です。 - ヒアリングと提案設計
次に求められるのが顧客の本音を引き出すヒアリング力。相手が何に困っていてどんな理想を描いているかを深く理解することで押し付けのモノ売りではない「課題解決型の営業」に進化します。
そして、その情報をもとに“自社が貢献できる部分”を見極めて提案を設計。
単なるスペックや価格説明ではなく「その企業ならではの課題にどう効くのか」を言語化し、導入後の姿を一緒にイメージさせることが成約へのカギになります。 - 契約・導入までの並走
提案に納得してもらえたら、次は契約・導入のフェーズです。ただ、ここで終わらないのが営業の難しさ。
社内の稟議通過・担当者の不安払拭・スケジュールのすり合わせなど、多くの障壁が立ちはだかります。
営業は、顧客の意思決定プロセスを裏側から支える“伴走者”のような存在。契約後の初期対応や納品、サービスの利用サポートにまで関わることで、導入が“成功体験”になるように導きます。 - アフターフォローと継続提案
営業の本当の価値が問われるのは、「売った後」です。
導入して終わりではなく、「使ってどうだったか」「満足度は高いか」「次の課題は何か」といった部分まで継続して関わり、顧客との関係を“資産”にしていくのが理想です。
さらに、導入効果を分析したうえで、アップセル(上位プラン提案)やクロスセル(別商品の提案)も行うことで、売上の最大化と顧客満足の両立を図ります。こうした地道なフォローが、「またあなたに頼みたい!」「紹介したい!」という信頼につながっていきます。
営業は結果が数字で見えやすい分、評価されやすい職種でもあります。ですが営業だけで新規開拓や信頼構築をすべて担うのは大変です。だからこそ広報との連携が効果を発揮します。
広報と営業の違いと補完関係
広報 | 営業 | |
目的 | 信頼・共感の獲得 | 売上の獲得 |
アプローチ | 情報発信・メディア活用 | 顧客への直接提案 |
ターゲット | 社会全体・潜在顧客・社内 | 具体的な見込み顧客 |
効果のタイミング | 中長期で効く | 短期的に成果が見える |
つまり、広報が土台をつくり、営業がその上で成果を伸ばす、という関係です。
たとえば、営業が「○○って会社、よく見かけるな」と言われたら、それは広報がうまく働いている証拠。逆に営業が拾ってきた顧客の声を広報が拾い上げ、発信に活かすこともできるわけです。両者の連携が結果的に企業のブランドと売上を両立させていきます。
広報と営業の違い の まとめ

- 広報は企業の信頼構築やブランド価値の向上を担う
- 営業は顧客の課題解決を通じて、売上の拡大を目指す
- 広報と営業は相互に連携し、企業の成長を支える重要な役割を果たす
今回は広報と営業の違いについてご説明しました。
広報と営業はそれぞれ異なるアプローチで企業の目標達成に貢献していますが、両者の連携があってこそ、より効果的な成果が期待できます。
もし、広報活動にリソースが不足している場合は、専門の代行サービスを活用するのも一つの手です。例えば、「広報PLUS」では、経験豊富な広報担当者が、プレスリリースの作成やメディア対応などをサポートし、企業の魅力を効果的に発信するお手伝いをしています。
限られたリソースを有効活用し広報活動を強化することで、営業活動との相乗効果を生み出し、企業の成長を加速させましょう。

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